桜餅参式・改

色んなゲームのメモ用

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仲達×春華←姜維 ~梅雨~


別名、争奪戦二戦目。
仕事場所とか宮殿とか自宅とか、そういう場所関係のも全く考えてないので、
できればつっこまないでくれると有難いです。


相変わらず後半失速気味。






===




~梅雨~


「雨が強くなってまいりましたわね。」
ここに来た時はほんの小雨だったのだが、何時の間にか土砂降りになっていた。
「この様子だと明日まで止みそうにないな。」
一旦筆を止め、一回空を見上げてから、後ろにいる妻の方へ振り返る。
「今日の仕事はそんなに早くは片付かんだろう。」
「待ちますわよ?」
「子供らが心配する。雨具は持ってきてくれたのだろう?早く帰ってやれ。」
「でしたら、お言葉に甘えて。」
司馬懿に向かって一礼し、仕事の迷惑にならないよう、静かに部屋を出ていった。


「本当にコレでいいのですか、丞相。まるで泥棒ではないですか。」
「いいのですよ。きっかけは待つものではありません。作るものです。」
玄関先の近くの木陰にひっそりと隠れていたのは姜維と諸葛亮である。
その手には、春華が夫の為に持ってきたものと自分用のと二つの傘が握られていた。
「今回私が出来るのはここまでです。あとは自分でやりなさい、姜維。」
「えぇ?!丞相、あと何をすれば良いのですか?」
「あとは貴方の傘に入れてあげて家まで送ればよいのです。
中々ベタなイベントですが、これは外せないでしょう。」
「入れてあげるって…もしかして相々傘ですか?!」
「当たり前です。でなければわざわざ盗んだ意味がないでしょう。」
相々傘と分かった途端、もじもじする姜維。
「あとはいかに話を盛り上げるか…そこは姜維の腕にかかってます。頑張りなさい、姜維。」
「ハイッ!」


「困りましたわ…忘れたのかしら。」
持ってきた傘は既に姜維達の手の中。
その為、春華は玄関先で立ち往生していた。
「濡れて風邪でも引けば、きっと迷惑でしょうし…」

「あ、あの…」
声がした方向へむくと、居るはずがない人物が居たことに目を白くした。
「……姜維殿、何故貴方がここにいるのですか?」
「え、えっと…たまたま通りかかって…」
「魏国をたまたま通りかかるのですか?」
「う…」
声をかけたのはいいが、よく考えなくてもここは魏。
ここにいる理由を全く考えてなかった。
相々傘になるためにわざわざ盗みも働いたというのに…
丞相の策は完璧だけど、丞相の愛の作戦はどこか抜けてるとこがあるように思えます。
丞相、本当にこれで黄月英殿をおとせたのですか?!

「まぁいいですわ。丁度傘も持ってますし、貸して頂きませんか?」
そう言うと春華は手を差し出してきた。
その手を少し見つめてから姜維は答える。
「いえ…私もこの土砂降りにさらされるのは幾らなんでも…
なので、私の傘の入りませんか?」
無理矢理な気もするが、自分の中ではこれが精一杯、勇気を振り絞った結果だった。
春華は少し考えてから、
「敵国の人の傘の中に入るだなんて…何をされるかわかりませんわ。」
「だ、大丈夫です!何もしません!
ただ家に送るだけですっ!」
「敵国の人をそう簡単に信用できるとでも?」
うぅ…国が違うというだけでこうも疑われるとは…
羊コ殿や司馬炎殿は一体どうやって他国の人と仲良くなれたのだろうか…

「…でもこのまま濡れるのも嫌ですし…今回は貴方を信用しますわ。」
絶望感に打ちしがれていたら、思ってもいなかった答えが返ってきた。
「あ、ありがとうございます!」
嬉しさのあまり、気をつけの姿勢をとり、丁寧にお辞儀をしていた。
「ふふ…面白い人ね。礼を言うのはこちらの方ですのに。」
「あ、いえ…えっと……」
照れながら言葉を捜す。
その様子を見て春華はクスクスと笑みを浮かべた。


「更に強くなってきましたね。」
時間が経つにつれ、雨はどんどん勢いを増した。
「そうですわね。」
ふと春華の方を見ると、左肩の方が少し濡れていた。
「春華殿、肩が濡れてます。もうちょっと傘の中の方へ。」
春華は無言で傘の中の方へ、姜維の方へ体を寄せる。
髪の毛先が姜維の鼻をくすぐる。ほのかにいい香りが伝わってきた。
これは少しやばい。
二人の間の距離が思ったよりもかなり近い。心臓の鼓動がかなり早くなる。
最初は何を会話のネタにすれば良いのかの格闘になりそうだと思っていたけど、
これは理性との戦いになりそうだ。

そんなことを考えていたら、
突然眩い白が視界を襲い、その直後に地にも響きそうな轟音が鳴った。
その轟音に驚いた姜維は、恐怖のあまりすぐ近くのに抱きついてしまった。
「姜維殿?」
ハッとした時には、既に春華を抱きしめていた。
抱きしめていたと言っても、男と女が抱き合うようなものではなく、
子が親に甘えてきたといったような、抱くというよりは泣きついてきたようなものだ。
すぐに謝ろうとしたが、今自分がとってる行動に気づき、恥かしさのあまり動けなくなっていた。

「大丈夫、ただの落雷ですわ。」
だが春華はそんな姜維を無理矢理離すようなことはせず、
逆にもっと近寄らされ、落ち着かせるように頭をなでられた。
「…す、すみません…」
「蜀の武将だというのに、随分可愛らしいものですわね。」
「うぅ…」
返す言葉もなく、ただ抱きしめられていた。


「ここまでで大丈夫ですわ。」
視界に大きな屋敷が見えると春華はそう言い、
姜維の横から正面に移動し傘から離れた。
「まだ距離はありますよ?大丈夫ですか?」
「ここからならば大した距離ではありませんし、
それに師も昭も心配して玄関にいる可能性もあります。
さすがにあの二人には姿を見られたくはないでしょう?」
「それはそうですが…」
次の言葉を待たずに、春華は頭を下げた。
「ありがとうございました、姜維殿。それでは。」
「あ、あの!」
背を向いて去ろうとした春華を呼び止める。
「今日のことは内密にお願いします!」
「ええ。覚えておきますわ。」
顔だけ少し振り向いてそう答えてくれた。


「母上!」
春華が玄関に着くと、司馬師は真先に駆けつけ、司馬昭はタオルを持って後から付いてきた。
「あら、心配してくれたの?」
「こんな土砂降りの中、傘もさしてこなかったのですか!?」
「偶々通りかかった親切な方が送ってくださって…だから大丈夫ですわ。」
「そうですか…」
何故名前をあげなかったのだろうとは思った。先ほど姜維と思われる人影が見えたのも関係あるのだろうか。
けど母に特に何もされた様子もなかったので、母の言葉を信じた。
「ここにいたら風邪を引きます。早く中へ。」
二人の息子に手を引かれながら家の中へ入っていった。





「私の傘は……」
仕事を終えた司馬懿はただ、強い雨を眺めながら立ち尽くしていた。

  1. 2006/03/12(日) 18:21:28|
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プロフィール

綾月

Author:綾月
かつての三国志大戦中心のブログ。
今は主にゲームのメモとして活用。
メインはツイッター。知り合い専用鍵付きアカウントにつきフォロワー募集はしてません。

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